自閉スペクトラム症の感覚の問題
人間の感覚には視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚や、前庭感覚・固有感覚などがありますが、自閉スペクトラム症の方の8割はそれらの感覚に過敏さや鈍感さがあるといわれています。
今回はその中でも視覚の過敏についてお話します。
視覚過敏があるとどんなことが起こる?
・色々なものが目に入り注意散漫になる
・注目すべきところに注目できない
・形、記号、色の違いに気づきやすい
・眩しいのが苦手
・信号機の色やノートの文字を見るのが苦手
視覚の過敏や鈍感があると、このような行動が見られます。

それではどのように対応していったらよいのか見てみましょう
視覚過敏への対応方法とは?
注意散漫で授業に集中できない
授業に集中できない原因は様々ですが、視覚過敏を持つお子さんは、掲示物・時計・外の景色・ほかの子が動いているのが見えたりすると、そちらに注意が向いてしまい、授業に集中しにくくなる場合があります。
対応は、
•できるだけ前の席に座る
•目に見える物を減らしてもらう
前の席に座り黒板との距離が近くなると、ほかの視覚刺激が目に入りづらくなります。
掲示物などもできるだけ目に入らないところにあるといいですね。
このような環境設定ができるか学校の先生と話し合ってみましょう。
自宅で集中できる環境を作るのが難しい
ご自宅の部屋の数や兄弟児さんとの兼ね合いもあり、集中できる環境を作ることが難しい場合がありますよね。
そのような時は
•壁側を向いて座る
•机上に置けるパーテーションを使用する
簡単にできる設定から試してみましょう。
机上に置けるパーテーションはネットでも購入ができます。

段ボールなどで手作りもできそうですね。
信号機の色や文字など見えにくいものがある
光に過敏なお子さんは、太陽の光がまぶしく信号の色が見分けられなかったり、真っ白なノートは光が反射して文字が見えづらいということがあります。

壁紙や天井が白く蛍光灯の部屋は光の反射がまぶしくて疲れてしまうということもあるようです。
対応は
•子ども用のサングラスや帽子をかぶる
•カラーノートを使用する
ノートがまぶしくて文字が書きづらい・読みづらいお子さんは、カラーノートを使用してみてください。
視覚過敏のお子さんのために作られたノートです。
最近は学校でもよく使われるコクヨからも視覚過敏のお子さんのためにカラーノートが販売されています↓↓
まとめ
感覚過敏といえば、耳ふさぎのある聴覚過敏がよく知られていると思いますが、実は視覚過敏を持つ方も多く見られます。
視覚過敏で、物の形や色の違いに気づきやすいと、芸術のセンスが高かったり、精密な作業を行えるという良い面も持ち合わせています。
ただ、ここでもお話ししたように、視覚過敏があることで集中が難しくなったり、文字の読み書きが難しくなったりと、学習に影響が出る場合もあります。
お子さんの様子を観察し、視覚過敏で困っている場合は対策を取り入れてみてくださいね。

視覚情報が少ない環境・眩しくない環境でのクールダウンも取り入れてみましょう。ありがとうございました。
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