自閉スペクトラム症を持つ大半の方は感覚の問題を持っています(その2)~対応方法の5つのポイント~

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砂遊び 関わり方のコツ
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感覚の問題への対応方法とは?

今回は、

『意外と知られていない!?自閉スペクトラム症の大半の方は感覚の問題を持っています その1』

の続きになります。

前回は、感覚の問題について詳しく書きましたが、今回は感覚の問題への対応方法について紹介します。

対応方法のポイントは5つです。

①苦手な感覚は無理をさせない

②見通しを持てるようにする

③少しずつチャレンジしてみる

④楽しい気持ちと結びつける

⑤好きな感覚を入れられる場所や方法を確保する

となります。

maru
maru

それでは詳しくみてみましょう

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ポイント①苦手な感覚は無理をさせない

苦手な感覚に無理して慣れさせたり、苦手な感覚に耐えるようにするということはしません。

これは、感覚の問題に対応する時の大前提になります。

無理をさせずに、環境設定してできるだけ大丈夫な環境を作れるようにしてみましょう。

例えば、

  • 嫌な音が聞こえる場面で、クールダウンできる場所の確保をしたり、イヤマフをつける
  • 粘土遊びなど苦手な感触遊びの時間に、お手拭きを準備したり、スコップやヘラなど道具を準備し、手で触らなくていいようにする
  • 苦手な感触の服の裏地は、裏地をはがして着るようにする
療くん
療くん

こんな風に、聴覚過敏用の防音イヤマフっていうのがあるんだよね!

苦手な感覚が原因で活動に参加できない場合がありますが、苦手な感覚が大丈夫になるような環境設定をして、活動に参加できるように工夫してみましょう。

ポイント②見通しをもてるようにする

苦手な感覚はできるだけ無理をさせたくないですが、どうしても苦手な感覚と付き合わないといけない場面もあります。

例えば掃除機の音やレンジの音など苦手なお子さんは多いですが、お子さんが同じ空間にいても使わないといけないものですよね。

そういう時は、できるだけお子さんの心理状態を「大丈夫」に持っていけるように、見通しが持てるようにします。

苦手な音などが突然鳴ったり、いつまで鳴るのか分からないと不安が増して余計にその感覚への苦手さも増してしまいますよね。

でも、いつ鳴るのか、いつまで鳴るのか見通しが持てることで少しずつ苦手さが緩和される場合があります。

例えば、

おかあさん
おかあさん

「今から掃除機をするよ」

「時計の針が5になるまでするよ」

「その間は耳をふさいでいてね」

と伝えることで、徐々に掃除機の音が平気になったお子さんがいました。

必ずしも平気になるとは限りませんが、“見通しが持てない恐怖の音”ではなくなることで、苦手さが少し緩和されるかもしれません。

ポイント③少しずつチャレンジしてみる

苦手な感覚は無理をしない方がいいですが、療育の中では少しずつ過敏な感覚に慣れていくような関わりもしています。

例えば、

  • ブランコに乗れないお子さんは、まずは安定感があるように一緒に乗ったり、あまり揺れないようにして、少しずつ揺れを大きくしていく
  • ベトベトの感覚が苦手なお子さんは、小麦粉と水を混ぜて作る小麦粉粘土を、始めは手につかないくらいの硬さから、だんだん水を多く混ぜて手につくようする

など、嫌がっていないかお子さんの様子をよく観察しながら練習してみます。

ここで大切なことは、本当に少しずつ変化をつけることです。

maru
maru

スカートが足に当たる感覚が苦手なお子さんで、膝上の丈から1cmずつスカートを長くしながら制服のスカートをはく練習をしたことで、今では膝下の長さのスカートもはけるようになった方がいたそうですよ。

このようにほんの少しずつ段階付けしてチャレンジしてみるのがいいですよ。

ポイント④楽しい気持ちと結びつける

感覚と情緒には深い関りがあるので、苦手な感覚も「楽しい」や「嬉しい」が上回れば、大丈夫になる可能性があります。

例えば、

  • 好きなキャラクターの靴下を履くようにしたことで、靴下を履けるようになった
  • 「髪切りに行った後は大好きなゲームセンターに行ける」というスケジュールにしたら髪を切れるようになった

このように、お子さんの好きなことや好きなものと結びつけることで、苦手な感覚も大丈夫になる可能性があります。

ポイント⑤好きな感覚を入れられる場所や方法を確保する

感覚探求がある場合、高い所からジャンプをしたり、好きなタオルが手放せなかったりという行動が見られます。

しかし、このような行動はどこでもできる行動ではないですし、年齢が上がってくると幼い行動に見えるので「もうそろそろやめさせた方がいいのでは?」と思われる方も多いと思います。

しかし、私たちが思っている以上に、自閉スペクトラム症を持つお子さんにとって、感覚刺激を体にいれることはとても重要なことのようです。

なので、感覚刺激の入る行動をやめさせることはせず、「この場所ではしてもいいよ」「この方法ならしてもいいよ」と言う風にして、感覚刺激を入れることを受け入れることが望ましいです。

例えば、

  • ジャンプが好きなお子さんであれば家の中に小さいトランポリンを置く
  • 好きな感触のタオルやぬいぐるみがある場合は、「家でなら触っていていいよ」触ってもいいと場所を決める
  • 口の中の感覚が鈍感でなんでも噛んでしまうお子さんは、噛んでもいいグッズを常にポケットに入れて置いたり、噛んでもいいグッズを箱に入れて、この箱の物は噛んでいいよとルールを決めたりする

などです。

他にも足をこちょこちょされる感覚が落ち着くので、いつもお母さんにこちょこちょしてもらっていたお子さんがいました。

しかし、年齢が上がってきたのでお母さんにしてもらうのではなく、足のマッサージ機で足の裏に感覚を入れられるように変更しました。

このように、

感覚探求の行動をできるだけやってもいい形にする

感覚探求の行動をすることが許される時間を作る

ということがポイントです。

maru
maru

『やめさせる』のではなく、場所や時間を設定して

『できる環境』を作るようにしましょう

おわりに

自閉スペクトラム症を持つ方は、感覚の問題があることで、私たちの捉えている世界とは全然違う見え方や聞こえ方をしているかもしれません。

どんな見え方なのかな?というところまで理解するのは難しいかもしれませんが、

「私たちとは違うように感覚を受け取っているんだな」

ということが分かると、今まで不思議に思っていたお子さんの行動が少し理解できますよね。

なので、まずは自閉スペクトラム症を持つ方には、感覚の問題を持っている方が多いということが伝わればなと思います。

そして、自閉スペクトラム症の方だけでなく、私たちにも苦手な感覚があります。

例えば、黒板を引っ掻く音が苦手な方は多いと思いますが、感覚の問題を持っている方は、そういう苦手な感覚がたくさんある状態になります。

生活している中で、そんな風に苦手な感覚が多いとすごく疲れてしまいますよね。

なので、感覚面に配慮することはとても大切なことなんです。

まずは、どんな感覚に敏感かな?など、お子さんの感覚の特性を知るところから始めてみてくださいね。

おかあさん
おかあさん

黒板を引っ掻く音は私も苦手です。

そういう気持ちだったんですね。

maru
maru

聴覚過敏の方がどんな聞こえ方をしてるか体験できる動画もありますよ

気になる方は「聴覚過敏」で動画検索して見てみてくださいね

コメント

  1. […] 自閉スペクトラム症の感覚の問題への具体的な対応方法-自閉スペクトラム症を持つ大半の方は感覚の問題を持っています-(その2)前回は、感覚の問題について詳しく書きましたが、 […]

  2. […] 自閉スペクトラム症の感覚の問題への具体的な対応方法-自閉スペクトラム症を持つ大半の方は感覚の問題を持っています-(その2)前回は、感覚の問題について詳しく書きましたが、 […]